Karen
Terry White tried to get fellow bank customers to help her when she was handcuffed after she refused to wear a mask. https://t.co/wzWjzQ7WTH
— HuffPost (@HuffPost) March 15, 2021
テキサス州の銀行で、マスクをしていない女が、その場から退去しなかったため逮捕された。逮捕の際、女は「警官の暴力!」と叫んだが、周りの客は誰も同調しなかった。「私はコロナなんて信じない。顔にあんなオムツをするのはまっぴらだ。」と女は語っている。
この記事の見出しは、Maskless 'Karen'「マスクをしてないカレン」が・・・となっているが、この女の名前はTerry Whiteで「カレン」ではない。しかもKarenには引用符が付いている。
実は"a Karen"とか”Karens”と複数形になったりもする。
なぜ??
Karenはアメリカの俗語で、最初は他愛ないjokeとして、「人を見下して命令するようなわがままな中流階級の白人女性」を揶揄するのに使われていた。特にレストランなどで店員を𠮟りつけて「店長を呼びなさい!」と騒ぎ立てるような。
それが昨年のBlack Lives Matterの運動を経て、racistとかwhite supremacist(白人至上主義者)のニュアンスが強まった。
2020年5月25日ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に殺害されたその日、黒人のバードウオッチャーの男性がNYのセントラルパークを歩いていると、白人の女がリードをつけないで犬を散歩させていた。「この区画は犬をリードにつなぐ規則になっているので、そうしてください」と言ったら、女が逆切れして、「黒人の男に脅されている」と911に虚偽の通報。この女はKarenの典型例のひとつとされている。
2020年6月、BLMのデモが盛り上がりを見せる中、セントルイスの白人の夫婦が家のそばを通った平和的なBLMのデモ隊に対して銃を向けた。この夫婦は"Karen and Ken"と呼ばれるようになった。KenはKarenの男性版である。
また、コロナ禍も影響を与えている。Karenは、「コロナはうそ。騒ぎすぎ。茶番」と思っていて、「反ワクチン、反マスク」だ。
2021年2月、オハイオ州のdiscount storeで、マスクをしていない女が退去を拒んで逮捕された。この事件はSNS上で大きな話題になった。この女の本名がKarenだったのだ。
なおこのKarenには、女性差別的な表現だという批判もある。
Karenを辞書を引いても「女性の名前」としかまだ載っていないよ。これが定着するのかな。
それにしてもKarenという名前の女性にとっては全くの災難だね。