Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

Karen

テキサス州の銀行で、マスクをしていない女が、その場から退去しなかったため逮捕された。逮捕の際、女は「警官の暴力!」と叫んだが、周りの客は誰も同調しなかった。「私はコロナなんて信じない。顔にあんなオムツをするのはまっぴらだ。」と女は語っている。

 この記事の見出しは、Maskless 'Karen'「マスクをしてないカレン」が・・・となっているが、この女の名前はTerry Whiteで「カレン」ではない。しかもKarenには引用符が付いている。

実は"a Karen"とか”Karens”と複数形になったりもする。

なぜ??

 Karenアメリカの俗語で、最初は他愛ないjokeとして、「人を見下して命令するようなわがままな中流階級の白人女性」を揶揄するのに使われていた。特にレストランなどで店員を𠮟りつけて「店長を呼びなさい!」と騒ぎ立てるような。

 それが昨年のBlack Lives Matterの運動を経て、racistとかwhite supremacist(白人至上主義者)のニュアンスが強まった。

2020年5月25日ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に殺害されたその日、黒人のバードウオッチャーの男性がNYのセントラルパークを歩いていると、白人の女がリードをつけないで犬を散歩させていた。「この区画は犬をリードにつなぐ規則になっているので、そうしてください」と言ったら、女が逆切れして、「黒人の男に脅されている」と911に虚偽の通報。この女はKarenの典型例のひとつとされている。

 2020年6月、BLMのデモが盛り上がりを見せる中、セントルイスの白人の夫婦が家のそばを通った平和的なBLMのデモ隊に対して銃を向けた。この夫婦は"Karen and Ken"と呼ばれるようになった。KenはKarenの男性版である。

 また、コロナ禍も影響を与えている。Karenは、「コロナはうそ。騒ぎすぎ。茶番」と思っていて、「反ワクチン、反マスク」だ。

2021年2月、オハイオ州のdiscount storeで、マスクをしていない女が退去を拒んで逮捕された。この事件はSNS上で大きな話題になった。この女の本名がKarenだったのだ。

 なおこのKarenには、女性差別的な表現だという批判もある。

 Karenを辞書を引いても「女性の名前」としかまだ載っていないよ。これが定着するのかな。

 それにしてもKarenという名前の女性にとっては全くの災難だね。