Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

君がそこにいるだけで

 オミクロン株が新年早々急拡大。東京では、感染者が1週間で10倍以上になりました。終わらないコロナ禍(pandemic)で、精神的にも・経済的にも辛い人が増えています。そんな時、こんな文章を見かけました。

「君が寂しいとき、絶望したとき、見せてあげたい。

君がそこにいるだけで放つ眩しい輝きを」(拙訳)

孤独や絶望の淵にいる人に向けた詩ですね。

 英語の面からは「仮定法」がポイントです。

I wish (that)+主語+過去形(be動詞はwere)

(~だったらなあ、~だったらいいのに)

これは試験にも出るし、よく使う言い方です。

thatはないほうが多いです。be動詞は学校文法では、wereですが、実際には(特に会話で)wasも使われます。

「現在」の事に関して、「実現不可能な願望」つまり、

「現在の叶わぬ願い」を表します。

「今、現実にはできないけど、ああこれができたらどんなにいいだろうなあ」と思うことは、日常よくありますよね。

I wish I could show youは、couldが過去形ですね。これが「仮定法」の形。couldは、ここでは過ぎ去った過去ではなく、現在の叶わぬ願いを表しています。仮定法は「現実から遠い」ことを表すのでしたね。(右のタブの「仮定法」をご覧ください)

「君に見せてあげられたらどんなにいいだろう。でも現実にはそれは無理なんだけど」という意味です。

 この形は便利なので、例文を覚えてしまいましょう。

I wish I could play the piano.

「ピアノが弾けたらなあ」(現実には弾けない)

I wish I could speak Chinese.

「中国語が話せたらなあ」

I wish I had a girlfriend.

「彼女がいたらなあ」(現実にはいない)

I wish I had a car.

「車があったらなあ」

I wish I were rich.

「金持ちだったらなあ」(現実には貧乏だ)

(会話ではwas)

I wish you were here.

「君がここにいたらなあ」

(旅先から絵葉書やメールを出すときの決まり文句です)

 なお、(When you are lonely or in darkness)は、「挿入語句」なので、(      )に入れて、ないものと考えれば

...show you the astonishing light とつながりますね。

show+O+Oの第4文型(giveの文型)です。例えばshow me the pictureと同じ型です。「あなたに灯をみせる」という意味。

 

 さて、この文を読んだとき、反射的に思い出したのが谷川俊太郎さんの「やわらかいいのち  思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに」という詩でした。その最後の部分だけ抜粋します。

.................

あなたは愛される

愛されることから逃れられない

たとえあなたがすべての人を憎むとしても

たとえあなたが人生を憎むとしても

自分自身を憎むとしても

あなたは降りしきる雨に愛される

微風(そよかぜ)にゆれる野花に

えたいの知れぬ恐ろしい夢に

柱のかげのあなたの知らない誰かに愛される

何故ならあなたはひとつのいのち

どんなに否定しようと思っても

生きようともがきつづけるひとつのいのち

すべての硬く冷たいものの中で

なおにじみなおあふれなお流れやまぬ

やわらかいいのちだからだ