Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

たたけばほこりの出る体

「え~、私もたたけばほこりの出る体ですから」

さて、これを英語にしてください。

 ある日松本道弘先生(画面右側の「英語名人」のタブをご覧下さい)が、斎藤美津子先生(同じく「英語名人」をご覧下さい)の「英語学校」に来られて、「今から私が、日本語でスピーチするから、我こそはと思う人は、私の隣で同時通訳をしなさい」と。プロの通訳志望者の学校ですから、何人かが勇敢にも手を挙げました。私も、こんなチャンスはないと、思い切って手を挙げ、同時通訳に挑戦する二人のうちひとりに指名されました。その時の先生のスピーチの一部が上の日本語なのです。

 幸い(?)この箇所は私の担当ではなく、私よりはるかに英語のできるバイリンガルICUの学生が通訳しました。

 彼女は、同時通訳だし、人前だし、緊張していたのでしょう。とっさに

"I have dust on my body."と言って、みんなの失笑をかってしまいました。(プロ志望の集団なので、遠慮がありません。)dust on my bodyでは、「体に埃が積もっていて、不潔!」になってしまいます。

 「たたけばほこりの出る体」とは、日本語のイディオムで、

「過去を調べられると、人に言えないようなこと(秘密)がいろいろある」という意味ですね。

 ここで思い出してね。

「言葉の表面にとらわれず、言いたいこと(メッセージ)をやさしい英語でなんとか伝える」がポイントでしたね。

 「秘密がある」なら、

I also have some secrets. とか、I have some things to hide, just like you. でなんとか。

「人間だから間違うこともある」なら、

To err is human.(「過ちは人の常」ことわざです) I made some mistakes in my life, too.

I'm not perfect. I'm just human.「人間だもの」

 松本先生がこの時紹介されたのは英語のイディオムで、

I have a skeleton in the closet. 「知られたくない内輪の秘密」

物置を開けると、中から骸骨が倒れかかって・・・キャー!

ホラー映画みたいなビビッドなイメージですね。なぜここに骸骨が?いったい誰の?ふと振り向くと・・・

Longman現代英英には、以下のように説明があります。

an embarrassing or unpleasant secret about something that happened to you in the past

まさに「たたけばほこりの出る体」ですね。この表現は否定形で使いことが多いようです。

 むむむ、さすがは師。