仮定法ミックス
ひさびさに仮定法。文法書にはいろいろ載っているけど、とりあえず「仮定法はふたつだけ」と思えばOKです。
文法書には「仮定法過去」「仮定法過去完了」とありますが、この名前のせいで、頭が混乱し、仮定法がわからなくなった学生は数知れず。(僕もそうでした)その話は後日詳しくしますが、ここではそれぞれ仮定法A、仮定法Bと呼びます。
頭を整理しましょう。
仮定法A
現在の話(今、・・・だったら)
If...過去形, ...would(could,might)+原形
仮定法B
過去の話(もしあの時~だったら)
If...had+pp, ...would(could,might)+have+pp
「今」こうだったら、ああだったらと、現実を離れて夢想してみるのが「仮定法A」
「ああ恋人がいたら、一緒にクリスマスイブを過ごせるのに」
「お金があったら、あの車が買えるのに」
一方、「もしあの時こうだったら、・・・だっただろうな」と、過去を振り返って、
もう過ぎたことについて、ああでもないこうでもないと考えてみるのが「仮定法B」
「もうちょっと勉強してれば、おれ早稲田に入れたかも」
「もしあの飛行機に乗ってたら、私死んでた」
さて、人生の中で、「もしあの時~だったら、今頃は・・・だろうな」と考えてみることありますよね?それが「仮定法ミックス」です。(僕が勝手につけた名前です)
つまり、過去のことについて、「もしあの時~だったら」と、すでに起きたことを頭の中で変えてみる。「そしたら今頃は・・・」と、こんどは現在のことを考えてみる。
「あの時あなたがいなかったら、今頃私はこの世にいなかった」
あなたがあの時助けてくれたから、今私はこうして生きている、というわけです。
よくある例文
If she had taken my advice, she would be happy now.
「俺の言うことを聞いていたら、今頃あいつは幸せだっただろうに」
何でしょうこの男。「ばかな女だ」「自業自得だ」みたいな、上から目線、男尊女卑的な臭い。例文として、いかがなものか。
それはともかく、If節のなかは、「過去」の話で、「仮定法B」
主節はnowでわかるように「今」の話で「仮定法A]
ふたつの仮定法が「ミックス」されていますね。
では実際のtweetに挑戦!トランプ大統領の最近のtweetです。
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Remember, I wouldn’t be President now had Obama and Biden properly done their job. The fact is, they were TERRIBLE!!!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 12, 2020
Remember, I wouldn’t be President now had Obama and Biden properly done their job. The fact is, they were TERRIBLE!!!
(いいかね、今ごろ私は大統領になっていなかっただろう。オバマとバイデンがちゃんと仕事をしていたらな。なにしろ、あいつらはひどかった!)
I woudn't be President nowは、nowがあるから、「今」の話で、「仮定法A」
wouldn't beだから、「仮定法A」の主節の形になっていますね。
「今頃私は大統領ではなかっただろう」ということ。
あれ、if節はどこ?ifがないぞ!!!
実はこれは「ifの省略」。仮定法のifを取ると、そのあとSVがひっくり返る「倒置」になります。(後日詳しくやります)
元の形は、if Obama and Biden had properly done their job
ここからifを取って、Obama and Bidenとhadをひっくり返す(倒置)と、
had Obama and Biden... となります。
if...had ppだから、「仮定法B」のif 節の形。「もしあの時・・・だったら」
オバマ・バイデン時代を振り返って、「奴らはちゃんと仕事をしなっかった」
「もし、きちんと仕事をしていたら私は今頃大統領になってない」
トランプ大統領の1日のツイート量はすさまじい。1日中大統領執務室でtwitterばっかりやってるのでは?それで自分は「ちゃんと」仕事してるのかな?