Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

文法(ミックス仮定法)

'Earlier lockdown could have prevented three-quarters of UK coronavirus deaths, modelling suggests. Researchers say that if the UK had imposed lockdown seven days earlier, its death toll would be on a par with 8,000 in Germany' according to the Telegraph email

— Ed West (@edwest) May 20, 2020

 

またまた「仮定法」のお話。(4月18日と5月24日のもう一つの記事参照)「仮定法」は「現実からの距離」を表します。つまり、「これは現実じゃないよー、あくまで現実離れした仮定の話だよー」

その「現実」には、「現在の現実」と「過去の現実」の2種類あると考えます。それに応じて、仮定法もとりあえずA型とB型の2種類あるわけ。

(学校で習うのは、「仮定法過去」と「仮定法過去完了」という名前ですが、

このアホな呼び方のせいで、高校時代の僕は仮定法がサッパリわかりませんでした。名前なんかどうでもいいのですよ。)

 

A型 (現在の話)(もし今・・・だったら)

   (例)「金持ちだったら、彼女と結婚できるのに。」

   (現在の現実は、貧乏で生活力がないから、結婚できない。)

B型 (過去の話)(もしあの時・・・だったら)

   (例)「高校時代にもっと真面目に勉強してれば、早稲田に入れたのに。」 (過去の現実は、高校時代真面目に勉強しなかったため、早稲田に入れなかった。)

 

しかし日常生活のなかで、「もしあの時~だったら、今頃は・・・」というように、過去の話と、現在の話がつながっていることも多いもの。過去は現在に影響を及ぼすものだから。そんな時は、仮定法A型とB型をミックスするわけよ。「ミックス仮定法」だ!

 

If she had taken my advice, she would be happy now.

「俺の言う通りにしていたら、彼女は今頃幸せだろうに。」

had takenはB型のif節、would beはA型の帰結。あの時こうしていたら、今頃はという、典型的なミックス仮定法ですね。

(話は逸れますが、教科書に出ているこの例文は、ちょっと上から目線で差別的な臭いがするのは私だけ?)

 さて、冒頭の、イギリスの新型コロナウィルス対応についての記事をご覧ください。

Researchers say that if the UK had imposed lockdown seven days earlier, its death toll would be on a par with 8,000 in Germany.

「もしイギリスがあと1週間早くlockdownしていれば、死亡者数は今頃ドイツ並みの8000人程度だったろう。」テレグラフ紙)

impose「課す」death toll「死亡者数」on a par with~「~と同程度の」(parはゴルフのパー)

had imposed は仮定法B型のif節、would beはA型の帰結。ミックスだ!

(あの時に~していたら、今頃は)だね。5月20日のイギリスの死亡者数は、実際には3万6千人ほどだから、1週間の差がいかに大きかったか。世界は「たられば」に満ちているけど、なんであの時に・・・と思うなあ、やっぱり。