Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

英語の歌(What a Wonderful World)

僕はこれまで、歌でたくさん英語を学びました。特に英語の音について、歌は多くのことを教えてくれました。やっぱり好きな歌を口ずさむのは、最高の勉強法ですね!この項では、僕の大好きな英語の歌を1曲ずつ、ご紹介します。

今日は、Louis Armstrongの"What a Wondertful World"

言わずと知れた超スタンダード。1967年のヒットですが、今でも世界中で愛されています。何といっても”サッチモ”の愛称で親しまれたアメリカの伝説的トランペッター、ルイ・アームストロングの温かいだみ声。

1998年には、スペースシャトルDiscoveryの飛行士のための「目覚まし曲」になり、2001年9月11日の同時多発テロの直後には、アメリカの大手ラジオ局の放送禁止曲リスト」に入りました。これから戦争するのに、この曲はふさわしくないということでしょうか?

もちろん「世界の素晴らしさ」がテーマですが、ただ能天気に「あー、人生はなんて素晴らしいんだー」という曲ではありません。曲全体に感じるこの緊張感は、なんでしょう?もちろん、黒人である彼がアメリカ社会の中でうけてきた差別、嘗め尽くした辛酸もあるでしょう。それにしても、まるで「死の側」からこの世を見ているような視線を感じます。長い病から回復した人の眼のような、あるいは戦場で死んでいく兵士の回顧のような・・・

やはり、ベトナム戦争が、この歌に色濃く影を落としているようです。1967年、当時の南ベトナムに駐留した米軍兵力は、38万9千人でした。

 さて、英語の面では、タイトルのWhat aの部分が、「ワット・ア」ではなく、「ワラ」と発音されていますね。アメリカ英語の典型的な音の変化です。好きな歌を口ずさんでいるうちに、英語の音に自然に慣れることができます。

 個人的には、この歌には思い出があります。

昔、短大で英語を教えていた頃のこと。ある晩、僕は同僚のフランス人の女性とお酒を飲んでいました。場所は、新宿のヒルトン東京のラウンジ。この日は、生演奏が入っていました。テーブルの上に「リクエストカード」を見つけた僕は、何気なくこの曲を書いて出しました。するとトランペッターが僕らのテーブルの前に来て、この曲を奏でてくれたのです。プロのミュージシャンに曲をリクエストして、それを目の前で演奏してもらうなんて、大感激!彼女も楽しんでくれたようです。

それだけ?・・・・・はい(涙)