異文化(NHKの差別的動画)
アメリカで、黒人差別に抗議するデモが広がる中、NHKの番組「これでわかった!世界の今」で放送された動画が、国際的に批判されている。
Wrong on so many levels. #NHK #せかいま #BLM #BlackLivesMatter #RootedRacism @jp4blacklives https://t.co/amfgZnR0Uj
— Tokyo Weekender (@Tokyo_Weekender) June 10, 2020
もうすでにNHKは動画を削除してしまったが、すでに世界に拡散され、駐日米国臨時大使代理が、ツイッターで批判する事態になった。
僕はこれを見たとき、唖然とした。「何これ?」というしかない。この番組はバラエティーじゃなく(バラエティーでも許されないが)、ちゃんとした報道解説番組で、しかも子供むけに世界のニュースを「わかりやすく」解説する番組だという。番組関係者は、これを見て何も感じなかったのだろうか?
一言でいうと、「差別的ステレオタイプ」。マッチョな黒人がタンクトップ姿で、こぶしを突き上げ、、威圧的で恐ろしい大声で叫んでいる。「そこにヨー」という粗野で無教養な話し方。背景では街角で煙が上がり、暴力的なデモを連想させる。これでは、見ている子供たちに、「黒人は怖い」というイメージを植え付けることになるのでは?
NHKは、番組のほかの部分で、今回の抗議行動のきっかけとなったミネアポリスの事件や、白人警官による同じような暴力事件が頻発していることについて説明したとしているが、それでもデモの背景を解説する動画として説明不足は否定できない。
結局、アメリカの黒人が、格差と差別の中で、警察の暴力による命の危険と隣り合わせという不安を抱えて、毎日をどんな思いで生きているのか、そういう「想像力」の欠如が大きな問題なんだと思う。しょせんは「外国の出来事、対岸の火事」、私たちの暮らしには関係ないわー
私たちがその「想像力」を正しく働かせるヒントを多角的に提供するのがメディアの役割なのに、今回はNHKにそれができなかったのは残念だ。
実は、対岸の火事ではなく、日本でも外国人差別は、日常的に起きている。身近な例では、近年のヘイトスピーチもそうだし、外国人がアパートを借りる大変さについては生徒の留学生からもよく聞く。