Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

蓼(たで)食う虫

 先月、バイデン大統領は、米国で販売される新車の半分を2030年までに電動車にするという目標を掲げ、大統領令に署名しました。新規雇用の創出、温暖化対策とともに、この分野で先行する中国から主導権を奪い返すのが狙いです。

 バイデン大統領の発言。

"The future of the auto industry is electric. There's no turning back."

自動車産業の未来は電動車です。もう後戻りはできません。」

さて、今日のポイント

There is no ...ing     ~できない(不可能)

これはよく試験にも出るヤツ(動名詞の構文として)ですが、実際にもよく使います。

上の文は、言い換えると、

You can't turn back.

学校で教わる例文は、

There is no accounting for tastes.

蓼(たで)食う虫も好き好き(すきずき)

account for=explain (説明する)tastes(好み、趣味)「テースト」は日本語になってますね。つまり「人の好みは説明がつかない」

例えば、

「なぜあんな美人があんな奴とつきあってるんだ?」

「まあ、人の好みはいろいろだからね」「人さまざまだから」

受験生の僕は(2浪しました)この説明で、なるほどと思いました。

でもね、長年英語をやってきて、この英文には1度も出会ったことがない。

こんな時は、Tastes differ.が普通です。「受験英語」は役に立つけど、実際に使わない例文はやめてほしいな。

ちなみにこの日本語訳は、「ことわざ」ですね。「蓼(たで)は葉が酸っぱくて普通の虫は食べないけど、この蓼を好んで食べる虫もいる」そこから「人の好みはさまざまだ」という意味。若い学生たちに、このことわざを言うと、たいてい「知らなーい!」「聞いたことない」という反応。最初はかなりショックでした。「日本語が通じない・・・」「僕の日本語は古いのか?」

言葉は変化します。でも最近、豊かな日本語が瘦せていくような気が・・・(ウッセイワ!と言われそうだな)

閑話休題

このThere is no ...ingのよく使う例文を挙げます。

There is no denying we are causing climate change.

「私たち人間が気候変動を引き起こしていることは否定できない

There is no telling(knowing) what may happen tomorrow.

「明日何が起こるかもわからない。一寸先は闇(やみ)」

 カーペンターズの名曲 ’I won't last a day without you’(愛は夢の中に)の一節は、

"When there's no getting over that rainbow" 

「あの虹を超えて行くことはできなくても」

つまり、「夢が叶わなくても」、あなたがいれば大丈夫。

 

ところで、電気自動車化、日本では大丈夫?