Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

「いえ、いえ、そんな・・・」

英語で話していると、相手から"You speak good English!"と、ほめられました。

さあ、何と答えますか?

多くの日本人がそんなとき、"No, no. My English is poor."などと言いますが、これはちょっと変に聞こえるようです。日本語なら、謙遜して、「いえ、いえ、そんな・・・まだまだです」が普通でも、それを訳して上記のように英語で言うと・・・

「本心からほめているのに、なぜ否定する?」

「必要以上に、自分を低く言うのは、卑屈な感じ」

などと、奇異に感じる人も多いようです。

では、何と答えたらいいのでしょうか?

"You speak good English."

"Thanks."

ほめられれば、素直に「ありがとう!」

簡単なようで、結構出てこない。謙遜を美徳とする「日本文化」ってやつが、

子供の頃から染みついているからでしょう。

ところで、電車の中でスマホを落とした時、年配の男性が拾ってくれました。

さて、何と言いますか?

多分、第一声は「あ、すいません!」だと思います。そのあと「ありがとうございます」でしょう。知らない人に、何かやってもらったら、まず「すいません」が出てきますね。そんなとき、I'm sorry.というとやはり変。

英語ならThank you.ですね。

というわけで、「すいません」=I'm sorryと思い込んでいると、例えばアメリカに留学したら、最初のうちはI'm sorry.ばっかり言ってる羽目になり、「なんであなたはいつも謝ってばかりいるの?」と言われてしまうのです。

では、「お待たせ!」を英語で言うと?

受験生時代に習った英語は、

I'm sorry to have kept you waiting.

フォーマルな場ではこう言っても、友達同士で遊んでいて、

「ちょっとトイレ」。帰ってきて「お待たせ!」なら、

Thank you for waiting.

「謝罪」ではなく、待ってくれたことへの「感謝」。

発想が大きく転換していますね。

アメリカの空港で飛行機の出発が遅れた場合、日本なら「お忙しいところ、ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません」と「謝罪」するところ、

Thank you for waiting. Thank you for your patience.

などと「感謝」するアナウンスが聞かれます。

ものごとを「ポジティブに、明るく」とらえようという発想かな?

 

ただしこれらは単に「違う」というだけで、「善悪」「優劣」の問題ではありません。

 

こうした「発想」の違いに気づくことも、英語を学ぶ大きな楽しみですね!

 

今学校で「異文化研究」も教えています。ちなみにテキストは、

異文化コミュニケーション・ワークブック(矢代京子ほか)三修社

少し古いところもありますが、異文化に関するトピックが、非常にわかりやすく、

実例を使って解説してあり、参考文献も充実していて、普通に読んでも面白い、素晴らしいテキストだと思います。改訂新版を出してほしいです、三修社さま!