Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

イディオム(far from)

コロナウィルス、未だ終息せず。東京でも、新規感染者が連日500人に迫る勢いだ。アメリカでも感染拡大が続いている。

This pandemic is far from over.

コロナは終息には程遠い。

「全然、終わってない」という、強い否定がfar from~

これも試験にでるやつ。

far from~ ~からは程遠い、全然違う

このイディオムの訳語は、昔から「~どころではない」。しかしこの訳語は、誤解を招くので、廃止すべきだと思う。なんで素直に「~からは程遠い」じゃだめなの?

誤解とは、英語のfar fromは「強い否定」なのに、日本語の「~どころじゃない」は、「程度がより強い肯定」にもなるからです。

日本語の先生は、「それは誤用だ」というかもしれませんが、実際にその意味でよく使われているのは、事実です。

「昨日は楽しかった?」「いや~、楽しいどころじゃなかったよ、最高だったよ!」

ネットで同じような用法を探すと、いくらでも見つかります。

”せんべろ”どころじゃない!「安すぎ、でもウマい」が集まる西成の酒場4選

 

(漫画家志望者のためのアドバイザーに、自分の漫画を見てもらって)自信がもてたどころじゃない。自分の漫画が最強の武器に思えてきた

 

「まあまあ面白い本なのだろう」ぐらいには思っていた。

 

で、実際に読み始めてみると……。

なんだこれ!――めーちゃくちゃ面白い。まあまあ面白いどころじゃない。まあまあとか言って、本当にすみません。冒頭からずっと面白いのだ。尋常じゃないよ。

 

ね!広く使われている言い方は、「誤り」の一言で片づけちゃいけないんだぞ、「言葉は多数決」、圧倒的大多数が、その言い方をするなら、それは「正しい」のら!

実ははるか昔、高校生のころから、この「~どころではない」という訳語には違和感がありました。ここで、初めて言えてすっきりした。

さて、この表現の例を挙げると、

Kaoru is far from happy. 全然幸せじゃない

The project is far from complete. 完成には程遠い

Conditions are far from ideal.とても理想的とは言えない

The treaty is far from perfect, but it's the first step forward.

条約は、とても完璧と呼べるようなものではないが、第一歩ではある。

"Are you bored?""Far from it." 「退屈した?」「まさか!」

 

一日も早いコロナの終息を祈ります。

Stay safe, stay strong!