わきまえない女たち
東京オリパラ組織委員会の 森喜朗会長の女性蔑視発言に対して国の内外で批判が高まっている。「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困る」「私どもの組織委員会に女性は7人くらいか。7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて」
なんだか暗澹たる思いになる。
まあ、気を取り直して、最後の「みなさん、わきまえておられて」は、どう英語にしたらいいだろう?Twitterで「わきまえない女たち」というハシュタグもできたね。
今回も言葉の表面にとらわれて「わきまえる」ってなんだっけ?ではなく、「中身」「何が言いたいの?」を考えてみる。
「組織委の女性は、自分の『分・立場・分際』をよくわかっている」ということね。「つまり女性は、社会的に男性に従うべきであり、あまり発言すべきではない」はっきり言うと「女は黙ってろ」というニュアンスが「わきまえる」という表現にはついて回るね。上から目線の、明治あたりの「家父長的」な臭いがしますな。おっと、話がそれた。英訳に戻ろう。
They all know their place.
know one's place(身の程をわきまえている)=behave according to one's social position
AFPは、Everyone understands their place.としている。
辞書にはknow one's placeの訳として、「(召使などが)出すぎたことをしない」ともある。女性は「召使」扱いなんだ。
もうひとつ、
They all know how to behave.
「低い立場のものは・・・」という感じがでている。
朝日新聞はこれを使っていた。
They know when to stop talking.
これは僕の訳。発言が森センセイの気に入らなければすぐに黙る、という感じ。実際の女性委員がどうなのかは知らない。しかしセンセイの発言ニュアンスはこんな感じ。上から押さえつけるイメージ。
Don't be silent!