Kai's English Room

僕は、英語が大好き。日本で独学で英語を勉強して、英検1級に合格。今も英語を教えています。

非寛容・偏見・差別

 二刀流大谷翔平選手、絶好調ですね。打ってはホームラン40本、投げては8勝。まさに、one of a kind他に例を見ない、オンリーワン)。

 しかし先週、大谷選手をめぐって、いやな事件がありました。(大谷君自身は関係ないのですが)。大谷選手のいるエンゼルス対タイガースの試合中、TV中継をしていた地元のアナウンサーが、打席に入った大谷を見て「大谷はどう攻めたらいいでしょう?」と解説のジャックモリス氏に尋ねました。モリス氏は「アジア系のアクセント」をまねて「ベリーベリーケアフル」と答え、SNSで批判されると、試合中に「もし誰かを不快にさせたなら謝罪する」と("I sincerely apologize if I offended anybody")コメント。その後も批判はやまず、放送局は氏を番組から降ろして「偏見修正のためのトレーニング」を受けさせると発表。

 さて、実際の発言はどうだったのか、次のツイート中の動画を見てください。

"Now what do you do with Shohei Ohtani?" "Be BERY, BERY careHURU."

と言っていましたね。問題の差別発言(a racist remark, an insensitive remark)はあっという間。確かにアジア系というより、「日本人英語」をまねしてからかっている(mimic)のは分かります。

 もちろん差別はいけない。しかも今回は僕たち日本人が偏見差別をうけた側なので、いい気持ちはしない。でも、これで「無期限出演停止」(suspended indefinitely)になるの?という軽い驚きもあります。アメリカにおける反差別の流れはここまできているんですね。

 放送局の声明は、

 "We have a zero-tolerance policy for bias or discrimination and deeply apologize for his insensitive remark."

(わが社は偏見や差別に対して一切容認しない方針だ)

zero-tolerance「非寛容」=どんなに小さなことも絶対に許さない。

 ところで、今回の騒動を報じた「スポーツ報知」の記事には重大な誤りがあります。

 記事の方を見て下さい。さきほど英文で紹介した放送局の声明を「私たちは偏見や差別に対して寛容な方針を持っており、彼の鈍感な発言を深くお詫びします」としていますが、「非寛容」でなく「寛容」になっています。今どき「差別に対して寛容な方針」のわけはないですね。不注意でしょうが、これだけはやってはいけないミスですね。

核兵器禁止を話し合う会議で通訳者が「我が国はあらゆる核兵器の使用に絶対賛成です」と言ったら・・・